『生活経済政策』の特集で寄稿しました。ありがとうございました。
『生活経済政策』2026年1月号(No.348) 「特集 責任ある積極財政の実相」
福祉排外主義に向き合うための財政—自治体・地域から始める/倉地真太郎
http://www.seikatsuken.or.jp/monthly/index.html
- 2025年、高市政権下で外国人政策の閣僚会議が新設されるなど、日本の多文化共生政策は転機を迎えている。一方、参院選では排外主義的論調が拡大し、全国知事会「青森宣言」は多文化共生を改めて訴えた
- 日本の外国人支援をめぐる補助金行政には4つの構造的課題がある:①補助金が少額・特定目的中心で自治体の単独費用依存になっている、②国による総額コントロールが強く自治体のニーズが反映されにくい、③一般財源不足により支援の担い手がボランティア頼みになっている、④地方創生・インバウンド系補助金と現場ニーズがミスマッチを起こしている
- デンマークの事例では、移民数に応じて財政需要が加算される包括的財源保障と、言語教育・職業訓練向けの特定補助金を組み合わせることで、自治体が地域ニーズに柔軟に対応できる仕組みを構築している(日本の地方交付税は外国人も日本人も同じ人口として算定)
- 「外国人は財政に貢献しているか」という議論には注意が必要。財政学の「一般報償性」の原則上、税の支払い規模でサービスを変えたり排除したりすることは適切ではなく、貢献論の強調が必ずしも望ましい政策論議をもたらすとは限らない
- 必要なのは自治体間協調による財源保障の構築。デンマークの自治体連合(KL)と国との政府間協議の仕組みを参考に、日本でも地方六団体が調査・提言機能を持ち、現場ニーズを財源保障につなげていく体制が求められる